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執筆者の写真北区堀船カンフークラブ

同じ雲井の月を見しかな②~入院編


既往歴もこんなカンジに・・・。


既往歴

大学2年の夏は病院で過ごした。

その年は冷夏で毎日雨が窓を濡らしていた。

雨滴で外は見えない。

病室の匂いと雨音だけが私の世界だった。

病名は自然気胸。

・・・いまモニタの前やスマホ片手のあなたが

ずっこける音が聴こえる。

(もういいか)

主に痩せてて背の高い男性に起きる肺に穴の開く疾病?である。

高校2年の時に左肺をやった。

体育の授業中、準備運動でジャンプをしていると

ばつん

という感触と共に突然左胸の中に何かが出現した感。

とんでもない違和感、気持ち悪さ。

身じろぎすると胸の中がぐわぐわと動く。

問 なんだこれは!?

答 しぼんだ左肺が気管支にぶら下がりボヨンボヨンしている

これは救急車を呼んでもらうべきだったのだろう。

しかし高2といえば馬鹿盛り。

さすがに早退はしたものの、佐々木青年は分速1メートルで這うようにして帰宅。

かかりつけの病院へ→入院と相成った。

その時は胸郭内にたまった空気を抜くという処置で二週間ほどで退院。

「その内右もやるだろうから、今度はすぐに病院に来てね」

と主治医は言った。

それから3年。予言は成就していまベッドの上にいる。

今度の右肺は切った張ったの“手術”である。

入金期間は1ヵ月半。

ちょうど夏休み期間と重なるのは運がいいのか悪いのか。

そんなある日――。

「あきら差し入れだぞ。これでいいんだろう?」

竹馬の友にして私の肺に穴を開けた張本人、林大助という男が

私の頼んだある雑誌を買ってきてくれたのだった。

(つづく)

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