(久しぶりの正宗太極拳)
気が向いたのでたまには陳式太極拳なぞ。
といっても身体操りの基本=基本功を分解したものだ。
粘度のある空気をかき分けるように、手を上下に、左右に動かす。
こういう動きのイメージに一番しっくりくるのは“ペンキ塗り”。
壁にペンキを塗るときに刷毛から突っ込ませる人がいないように、
指を刷毛に見立てるとまず手首が動いてその後に指がついてくる。
そして手首は柔らかく、必要なだけフレキシブルな状態になる。
「ダニエルさん、人生で一番大切なのはバランスだ」
『ベストキッド』のミヤギさんはそう教えてくれる。
そしてペンキ塗りのイメージもミヤギさんの教えだ。ありがとうミヤギさん。
慣れたら今度は円である。自分の正面に円を描く。
このときに求められる手首の、指の動きも、また「ペンキで円を描く」のそれ。
私たちが何かをするとき、身体は自然に最適なポジションを取っている。
機能肢位という生物に備わった無意識の力だ。
例えば、あなたが目の前にあるペットボトルを手にするとき、
「最も理にかなった動作」でペットボトルを取っている。
だが、
「最も理にかなった動作でペットボトルを取ってください」と言われたが最後、
あなたの動きは全身の統合の取れていないものになってしまうだろう。
こんなとき力を発揮するのがイメージだ。
ボールに触るように
遠くの山を見るように
火のついた煙草を踏み消すように
温泉につかっているように
そして壁にペンキを塗るように、である。
最後に久しぶりに套路なぞ。
思った以上に生徒さんの身体記憶が鮮明でびっくり。おみそれしました。
継続は力なり、ですな。
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