たまにつらつらと、自分の修業の思ひ出を書いてみます。
さて、あなたは『拳児』という作品をご存じだろうか。
1988年から1992年まで週刊少年サンデーで連載されていた
“本格武術マンガ”である。
剛拳児という少年が中国武術の修行を通して
人間的に成長していく姿(小学生時代から二十歳過ぎまで)を描いた大河ものだ。
このマンガ、後の日本のサブカルシーンに多大な影響を及ぼすことになるのだが、
連載第一回を読んでの感想は「絵が綺麗だな」。
そしてだんだんと分かってきたことは、
・原作者が武術家。
・登場する武術やその修行法が実在のもの。
・要所要所に実在の武術家がモデルのキャラクターが登場。
(ずっとのちに知ったことだがビジュアルもそっくり!)
想像していただきたい。
ジャッキー・チェンやブルース・リーに親しんで育った
14歳、中学二年の佐々木少年の反応を。
「これが・・・中国の・・・カンフー(アムロ風に)」
そこにはホンモノの(と思われる)中国武術が、
スピードと反射神経だけではない、
勝つべくして勝つ詰将棋のような世界が描写されていた。
毎週連載を読み進め、単行本も購入した。
小さいときから空手がやりたかったが、近所に道場が無かったので断念。
代わりに剣道を始めたがやはり徒手格闘技への想いは捨てがたく。
とはいっても動き出すわけでもない、ただの一読者に過ぎなかった私。
そして『拳児』も連載終了。私は高校3年か大学1年だったか。
『拳児』は武術ってすごいな~、と本棚の一部を占めるマンガのひとつに・・・。
なるはずだったのだろう。
どんなことでもそうなのだが、
きっかけは突然にやってくるものなのだ。
(つづく)
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