瞑想、リラクセーション、セラピー、そして武術。
各方面で“呼吸”の大切さ、“呼吸”に意識を向けることの大切さが説かれている。
もちろん私もそう思うし、実感している。
そこではた、と立ち止って考えてみる。
何で“呼吸”に意識を向けることが大切なんだろう。
「どんな呼吸をしていますか?」と問われて
初めて自分の呼吸が浅くなっていることに気づく認知療法のやり方。
呼吸を意識することでより深い呼吸になり、
副交感神経が優位になってリラックス、という神経学的なアプローチ。
人間は一度に一つのことしかできないので、
呼吸を数えながら瞑想することで雑念を払う数息法。
その流れを汲んだゲシュタルト療法の「図と地」の考えかた。
そして浩然の気を取り込んで身体のエネルギーを賦活するという太極拳などの武術。
どれもこれもなるほどねえ、と思わせるもの。
そんな中、研修企画のために読んでいるある心理療法についての本に、
私にとってとてもしっくりくる、受け入れやすい表現を見つけた。
要約すると、
「呼吸や心拍などのように
生命がどのような状況下に置かれようと無条件で与えられる存在は、
特定の条件下で現れる感情や思考や行動よりも力強い」
なるほど! 生きているなら必ず存在する呼吸や脈拍。
それら無条件に存在するものは、
特定の人を思い浮かべるときに生じるネガティブな感情や、
特定の体験で必ず頭をよぎる望ましくない思考や、
特定の事物を目にするとついやってしまう否定的行動など、
ある特定の条件下でないと現れない存在よりも力強く、
その否定的側面を打ち消してしまう、ということだな!
これはすっきり。武術でも呼吸がうるさく取りざたされることの、
ある側面からの説明としてとても納得がいく。
という文章を息を詰めて書いていた。いかんいかん(笑)
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