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味方にしたいアイツ

執筆者の写真: 北区堀船カンフークラブ北区堀船カンフークラブ


無意識

無意識、というと

一般的にはドロドロした欲望とか押し込められた破壊衝動とか

フロイト的なそれを思い浮かべる向きもあるだろう。

が、「NLP」という一連のアイデアではその真逆。

無意識はその人本体(?)にとって役に立つものが格納されている場所と捉える。

ただし、NLPでいう意識/無意識とは精神活動だけを指すものではない。

NLPでいう意識とは

“いま気づいているすべてのもの”

無意識とは“いま気づいていないすべてのもの”のことだ。

だから私が「足の裏はどんな感覚ですか?」と訊くまで、

あなたにとって足の裏の感覚は無意識だった。

そして無意識は本体である私たちに良いことしかしない。

基本私たちは自分にメリットのあることしかしないのだ。

あなたの姿勢も、目の前にいる人間の仕草も、

何らかのメリットがあるからそうしていると考える。

だから武術もその無意識を利用したい。

「目の前に何かが飛んで来れば瞬きするのが普通で、

 何があっても目は開けたままにしようとするのは不自然である」

と柳生但馬守宗矩は記した。

「スタンスを取ったりガードを上げるのは恐怖心の現れである。

 恐怖心があると手を遠くに伸ばそうとする。

 そうすると身体から腕に恐怖心が移る。

 そのままにしておくと身体に恐怖心が戻ってくるので、

 腕に恐怖心が移った時にその感情をこめて打つのが良い」

とヴラディミア・ヴァシリエフ師は言った。

イスラエルの格闘技クラヴ・マガは、

人が脅威にさらされた時、とっさに取る行動がそのまま技になっているという。

幼児が無心に涎をぬぐう姿を見て編み出されたという素晴らしい剣術の型がある。

太極拳の基本戦術、「捨己從人」。

この捨てる「己」は自分の意図ではなく、

無意識のリソースに身を任せるための意識的自分のことではあるまいか。

いかに無意識を味方にするか。

伝統武術にそのための道があり、心理療法にもそのための方法がある。

二つながらに知っている私はちょっとだけ有利かもしれない。

 
 
 

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