(これこれ、ここがむずかしいのよ)
「先生が佐々木君のこと誉めてたよ」
大昔、兄弟子がそう伝えてくれた。
「へえ? どんなところをですか?」
「“佐々木君はいつも武術の事を考えているからよい”だって」
確かに。武術の事を、修業のことを、修業の工夫のことを四六時中考えている。
唐突だが、人の変化や成長に意識は必要ない。
「いやいや! 成長したいとか向上したいとか、それは意識的なものでしょうよ」
もちろん。そのような意思、モチベーションがなければ何も起きないだろう。
ここで言っているのは変化や成長「するとき」に意識は必要ない、という話だ。
思い出してみてほしい。
自分が何か新しいことを身につけた時、
何かがよりうまくできる様になった時、
「あ、できてる」と驚き、そのことに「気がついた」のではないだろうか。
変化や成長は無意識で終わっている。
意識はそれに気がつくだけなのだ。
さて、何でこんな話をしているかというと、
先日JKD Wooden Dummy Set #1 の超難しいところが
不意に出来るようになっていたから。
(こういう通路の両端で動かないタイプの木人で練習する)
想い通りに動かぬ身体を励まし、折に触れ脳内でリハーサルをし、
最近はすっかり忘れていたこの木人の型。
無意識のひらめきがあったのだろう、最寄り駅前で腕をひらりと動かすと
!? できるじゃないか!
嬉しくて歩きながら繰り返していたが大丈夫。
ここは阿波踊りで有名な街なので勝手に勘違いしてくれるだろう。
集中する、忘れる、変化が終了している。
これが成長のプロセスというものだ。
心の師、モーフィアス先生もおっしゃっている。
Don't Think You Are, Know You Are.
「考えるな、知るんだ」と。
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