(最近読了したこれも面白かった。剣の描写も究極までいくつもりかセンセイ)
“世の中にこんな面白い小説があるのか!?”
戦慄していた。
獏センセイの『幻獣少年キマイラ』を読んだのである。
中学の頃だったろうか。
それから獏センセイの作品をあるたけ読んだ。
『超高層ハンティング』
『鮎師』
『空気枕ぶく先生太平記』
『牙鳴り』
『怪男児』
マイナーな作品も押さえてしまうのである。
おもしろいよなあ……。
おい。
何て顔をしてやがる。
文体も似てくるほど好きなのである。
もういいか。もういいか。
まだか。
とまあ、ありていに言ってファンなのだ。
その獏センセイの『獅子の門』の影響をうけて
中国武術を始めたのは前に書いた通り。
それくらい獏センセイの格闘表現にはリズムがある。空気がある。
獏センセイのデビューは文字の配置で物語を表現するタイポグラフィー。
それは進化しつつ健在で、例えば格闘技の試合において
選手が一方的に攻められている描写にこんなものがあった。
た。
った。
だった。
題だった。
放題だった。
れ放題だった。
られ放題だった。
やられ放題だった。
意識を失っていたのだろう。
徐々に自分の置かれた状況が理解されていくこの表現。
他に誰ができる!?
それくらい思い入れのある獏センセイが至近距離、大正大学講堂の壇上にいる。
話は新刊『聖玻璃の山』の話から始まった。
関連してネパール、チベット越えの話。
『聖玻璃の山』に収録された玄人はだしの写真の話。
そしていつの間にかプロレスの話へ。客席も待ってましたという感じだ。
「では質問コーナーに入りたいと思います。先生に質問のある方」
手筈通り何人目かで当てられた。マイクを渡される。
このような機会が訪れた時に必ず訊こうと思っていた質問。それがついに。
「先生は『闇狩り師』に代表されるような伝奇バイオレンスものと、
『餓狼伝』に代表されるようなリアル格闘ものの傑作を
たくさん書いてらっしゃいます。
そこで質問です。
それぞれのジャンルで最強のキャラクターは誰と誰なんでしょうか?」
ざわ・・・。会場が揺れる。そう、皆が知りたいことを代弁したようなものだ。
「うーん、そうですねえ」と獏センセイも笑いながら悩んでいる。
そこで明かされた伝奇バイオレンス最強の男と、リアル格闘もの最強の男とは?
問 それを明かして獏センセイのファンは幸せであろうか。
答
問 重ねて問う。獏センセイのファンは幸せであろうか。
答
というわけであなたの想像におまかせしましょうか。
しかしこの質問をして22年。
まだ完結していないとはさすがに思わなかったなあ(笑)
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